アパレル業界の外部環境

アパレル業界の動向

アパレル業界は厳しいとか今後もこの不況が続くという方もいますが、私は、そう思わないです。それぞれの会社やブランドを取り巻く外部環境には、必ずチャンスとピンチになる要因が混在しています。

まず、その混在したチャンスとピンチを各ブランドにおける外部環境として整理することが必要です。

今回は、アパレル業界の一般的な外部環境について、紹介させていただきますので、この記事を読みながら各ブランドに当てはめて、チャンスになるのかピンチになるいのかを考えながら整理していただければ嬉しいです。

 

 

市場規模の主な増減要因

 

まず、アパレル業界の市場規模ですが、勢いのあった1991年に約15兆円であったのですが、2019年には約9兆円になっています。

全国百貨店の売上高は、1991年の9兆7130億円と2020年に約4兆円と半分以下までダウン(日本百貨店協会)。全国百貨店の売上高の約3割がアパレル業界の売上です。

アパレル業界全体が不況なのではなく、百貨店を主な売場とする中価格帯のアパレル企業が中心に縮小しています。

百貨店ブランドが、百貨店業界の衰退が重なり、国内のアパレル業界の市場規模の縮小につながったのです。

反対に百貨店への出店が中心ではないユニクロ(ファーストリテイリング)の売上は、世界第3位のGAPを抜き、世界第2位のH&Mを抜く勢いがあります。

ユニクロなどのSPAブランドは、海外の工場で製品を製造し、直接仕入れて、自社で消費者に販売するため、中間業者がないのため、低価格の設定が可能になります。

 

・百貨店の家賃の高騰
・商品の同質化
・百貨店の売上ダウン

 

百貨店ブランドでは、上記のような要因から本部の人員削減などの効率化が進み、商品企画を商社やOEM、ODMメーカーに委託するようになり、流通工程が多くロスを見込む必要があるため、価格が高くなり価格の信頼も失い業績ダウンとなりました。

 

 

海外市場と国内市場を考える

 

世界の人口は、

 

2020年の約78億人から2030年に約85億人、2050年に97億人、2100年に109億人へ

 

と増えていくことが予測されています。

 

特にアジア圏での人口増加と経済成長は、アパレル市場の拡大に大きな影響を及ぼすことが見込まれています。

今まで日本のアパレルメーカーは、国内市場を中心に店舗展開していましたが、ユニクロ、無印良品などのグローバル展開の成功例も出てきたこともあり海外事業のノウハウもたまりつつあります。

特にアパレル業界は、人口の増加している国に進出することが、勝ちパターンと考えるのは、若い世代は、比較的にファッションに対する関心が高く、アパレルの潜在需要になると考えられているからです。

 

 

国内の販売チャネルの変化

 

日本では、少子高齢化が進んでいて国内市場の縮小は避けられませんが、新製品開発による新しい需要の開拓は可能です。例えば、医療的機能を備えたアパレルや、介護業務を補助する作業着などの開発や実用化が進められています。

いずれも、アパレル業界が参入する上で、ファッション性が必要です。また、ファッション性のある商品が求められているのです。

国内のアパレルは、今までの市場でファッション性だけを打ち出すのではなく、機能性や専門性を重視した市場開拓が進んでいくと予測されます。

 

 

世界的に見た日本のアパレル業界への期待

 

アパレルは、世界的に大きな需要の伸長が見込まれています。

日本には、開発力の優れた素材企業が多いため、日本の感性と丁寧な物作りにより海外市場を開拓できる可能性は大きいといえます。

 

 

セレクトショップの未来

 

「衣」から「食」「住」までを独自の世界観で提案によるアパレルからライフスタイル全般への展開の動きが見られます。

実はこのライフスタイルを提案するビジネスモデルは、家具の輸入販売からスタートしたサザビーが1981年、アフタヌーンティーの店名で自家や家庭内で使用する手ごろでクリエイティブなおしゃれ小物を販売し、新しいライフスタイルを提案したのが初めてとされています。

成功例も国内にあるのです。

 

 

ライフスタイル提案への移行の背景

 

・引きこもり消費対策

 

EC販売の成長に見られるように消費者はモノの購入のためでは実店舗に足を運ばなくなってきています。そこで「時間を過ごす場所」を提案すべきなのです。

 

 

・少子化にて入店客数の減少対策

 

人気のあるアウトレットモールやショッピングセンターはファミリーでの来店が多いです。少子化にて入店客数の減少対策として、幅広い年齢層にアピールし、店舗に入り易く滞在時間を長くすることです。

 

 

・ついで買いにて客単価アップ

 

入店客数の減少に対して、客単価を上げる必要があります。商品を1つのカテゴリーに特化しないことで「ついで買い」でセット率アップに繋げることで客単価を上げます。

 

 

・SPAの限界

売れ筋を早く低価格で提供するということは、商品の同質化につながります。ブランドのテーマをさまざまなカテゴリーの商品に取り組むことで、付加価値、差別化に繋げたいです。

 

 

アパレル業界の商習慣の課題

 

これまで、アパレル業界には、シーズンごとに新製品を投入し、旧シーズンのものはセールで販売するという商習慣がありましたが、それも変化しています。

作業服からアパレル業界に参入したワークマンは、基本的の作業服の業界の商習慣の安価な価格設定にして、シーズン末のバーゲンは行っていません。

 

 

今後のマーチャンダイジングについて

 

従来の性別や年齢などによるマーチャンダイジング戦略は、ユニフォーム、スポーツ、アウトドアなどのジャンルを超えて、融合していくと考えられます。

新たな機能を備えたアパレル製品の開発により、新しい市場の形成が進み、海外での販売機会も増大していくと予測。

 

 

価値観の変化に合わせた販売戦略

 

「安さ」から「利便性」「プレミアム」への消費者意識の変化

 

野村総合研究所の「生活者1万人アンケート調査」(2018年)の調査結果では、

 

・家族間でもお互いに干渉しない「個人志向」が強まる
・インターネット上のコミュニティで同じ嗜好(しこう)の人と情報交換を重ねると、個人志向へのこだわりがより強くなること
・家族ではなく外部とのつながりの拡大が、コト消費シェアリングエコノミーの基礎になること

 

 

ネット販売やCtoC市場の急成長

 

 

「利便性」というキーワード

 

アマゾン、楽天市場、ZOZOTOWNなど、ネット販売チャネルは2000年代から成長を続けています。試着できないデメリットもありますが、時間や場所を選ばすに商品が見られ価格比較ができ、購入した商品は自宅まで配送されるという利便性が、消費者に評価されています。

家賃の高い一等地に店舗を構える必要がなく、ランニングコストも低く抑えられます。

また、メルカリに代表されるCtoCの中古流通チャネルも成長しています。インターネットを利用した誰でも売買ができるプラットフォームを提供しているCtoC市場は、著しい成長を遂げています。

 

 

店頭やネットに縛られない販売戦略

 

アパレル業界では、これまで店頭販売とネット販売は別のチャネルと考えられてきました。しかし、昨今は、消費者意識の変化に従い、オムニチャネルに大きく移行されつつあります。

これからは、販売員一人ひとりが発信者となり、自社コーディネートの画像配信、新製品の映像配信、顧客とのSNSによる相互コミュニケーションなどがもとめられるようになります。

 

 

現在の動向1

これまでは、自分の服は自分で購入して着るのが当たり前でした。現在では、レンタル服を着て、気に入れば購入するという定額制のサブスクリプションサービスも普及しています。

 

 

現在の動向2

ヨガウェアの販売だけではなく、レッスンイベントも開催し「モノ消費」から「コト消費」として売上を伸ばすケースもあります。

 

 

現在の動向3

ライブコマースなどの動画やSNSを活用した新たな販売戦略も求められています。

 

 

大量生産・大量廃棄から持続可能性の時代へ

 

代表される3つの出来事

 

2013年4月バングラデシュの首都ダッカ近郊にある商業ビルで発生したラタ・プラザ事故

2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、SDGSは、国際社会共通の目標です。

2018年7月に報道された英高級ブランドのバーバリーが前年、ブランド保護のために衣料品やアクセサリー、香水など2860万ポンド(約41億8000万円)相当の売れ残り商品を破壊・処分していたことが分かった事件。

 

投稿者プロフィール

Mr. Thanks 
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Content creator、School teacher of business fashion、Chef、Angler、