この授業で伝えたいこと:

今回の授業で一番お伝えしたいことは、「売上を見るだけでは、本当の経営は見えない」ということです。多くのアパレル企業では、「今月いくら売れたか」を重視します。しかし、実際に利益を生み出しているのは、“何度も買ってくれる顧客”です。

これからの時代は、新規客を集め続けるだけでは経営が苦しくなります。広告費は上がり、SNSの競争も激しくなり、AIによって情報が自動化される時代になるからです。だからこそ重要になるのが、「一回売って終わり」ではなく、「長く選ばれ続ける関係」を作ることです。

そこで重要になる考え方が、LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)です。LTVとは、「一人のお客様が、長い期間でどれだけ利益を生んでくれるか」という考え方です。

例えば、一回だけ1万円の商品を買うお客様より、毎月5千円を2年間買い続けてくれるお客様の方が、結果的に大きな利益を生みます。つまり、これからのマーケティングは、「どれだけ多く売るか」ではなく、「どれだけ長く関係を続けられるか」が重要になります。

この授業では、LTVの基本から、アパレル業界での具体的な活用方法、そしてAI時代に必要な“ファン作り”までを、分かりやすく学んでいきます。

By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。