この授業で伝えたいこと

メルセデス・ベンツは単なる自動車メーカーではありません。世界中の富裕層に対して「移動手段」ではなく、「ステータス」「快適性」「時間価値」「体験価値」を提供しているブランドです。

今回発表された新型Sクラスは1598万円という高価格帯の商品ですが、価格の高さだけで価値を作っているわけではありません。AIとの自然な会話機能やソフトウェアによる継続的な進化など、最先端技術を活用しながら顧客体験を向上させています。

さらにメルセデスは、その上位ブランドであるマイバッハを活用し、日本で増加している富裕層や超富裕層をターゲットにした戦略を強化しています。神戸にはマイバッハ専門店を開設し、オーダーメイド対応によって「世界に一台だけの車」という特別な価値を提供しています。

また、高級ホテルとの連携による送迎サービスなど、自動車を販売するだけでなく、ラグジュアリーな体験そのものを提供しています。

マーケティングの本質は商品を売ることではありません。顧客が本当に求めている価値を理解し、その価値を形にすることです。

ベンツの事例からは、「高価格商品を売る方法」「富裕層市場の考え方」「顧客満足度を高める仕組み」「ブランド価値の作り方」を学ぶことができます。

ファッション業界でも高価格ブランドやラグジュアリー市場が拡大している今、ベンツの戦略は非常に参考になる事例と言えるでしょう。

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By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。