この授業で伝えたいこと

皆さんはスーパーを選ぶとき、価格の安さを重視するでしょうか。それとも、おいしさや品質、安心感を重視するでしょうか。多くの企業は「安売り」を武器に競争していますが、今回紹介する兵庫県の山田ストアは、まったく違う戦略で成長しています。それは「地域密着」という価値を徹底的に磨くことです。

山田ストアでは、兵庫県内の生産者が作った野菜や卵、お菓子、スイーツなどを積極的に販売しています。しかも価格を安くするのではなく、生産者が利益を得られる適正価格で販売しています。それでも多くのお客様に支持され、地元商品の売上は4年間で約2倍、会社全体も8年間で成長を続けています。

これは単なる「地産地消」ではありません。生産者と一緒に新商品を開発し、消費者は商品を買うことで地域を応援できるという新しい価値を生み出しているのです。つまり、商品だけではなく、「地域への共感」を販売しているともいえます。

マーケティングでは、「誰に、何を売るか」だけではなく、「どんな価値を提供するか」が重要です。価格競争では利益は減ってしまいます。しかし、地域の魅力やストーリーを価値に変えることで、高価格でも選ばれるブランドになります。

今回は山田ストアの事例から、地域密着型マーケティング、生産者との共創、ブランドづくり、そしてアパレル業界にも応用できる差別化戦略について学んでいきましょう。

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By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。