この授業で伝えたいこと

私たちは普段、自動販売機で飲み物を買うとき、商品のラベルをあまり意識していないかもしれません。しかし、そのラベルにはブランド名や商品名だけでなく、成分表示や容量、企業のメッセージなど、多くの情報が詰め込まれています。つまり、ラベルは商品の「顔」であり、マーケティングにおいて非常に重要な役割を果たしています。

今回、経済産業省のルール改正により、自動販売機でもラベルレス飲料の販売が可能になりました。これはプラスチックごみの削減やリサイクル効率の向上を目的とした循環型経済(サーキュラーエコノミー)の取り組みです。一方で、ラベルがなくなることで、ブランドの見分けがつきにくくなったり、商品の情報を伝えにくくなったりするという新しい課題も生まれています。

マーケティングでは、「環境に優しい商品を作れば売れる」というわけではありません。お客様に価値を伝え、安心して購入してもらう工夫が必要です。そのためには、自動販売機のPOPやデジタル表示、QRコード、ブランドカラーなど、ラベル以外の方法で価値を伝える発想が求められます。

今回の授業では、ラベルレス飲料を通して、環境配慮とブランド戦略をどのように両立させるのかを考えます。そして、これからのファッション業界でも重要になる「サステナブルでありながら選ばれるブランドづくり」について学んでいきましょう。

※ website ※ ポッドキャスト  ※ WEBテキスト ※ レポート ※ メルマガ

By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。