この授業で伝えたいこと

トヨタの戦略を顧客視点で見ると、車の性能を高めることに加えて、人々が移動や暮らしの中で感じる困りごとを解決するという考え方が見えてきます。長距離運転で疲れる、駐車が不安、点検や保険の手続きが難しいなど、お客様の課題は購入前から利用中、買い替えまで続きます。その課題に対して、企業が「便利なはず」と考えただけで成功が決まるわけではありません。顧客の声と行動から仮説を立て、実際に試し、結果を確かめ、改善することが必要です。この流れを、PDCAサイクルの視点で学びましょう。ウーブン・シティは暮らしの中で実証する場所、運転支援は移動の負担や安全の課題に向き合う取り組み、購入後のサービスは使い続ける生活を支える仕組みとして捉えられます。一方、研究開発、店舗設備、システム、人材育成にはお金と時間がかかります。顧客満足とともに、提供費用、人的生産性、投資回収、営業利益も確認することが大切です。この授業では、困りごとの発見から実験、改善、事業化へ進む考え方を学びます。そしてアパレルでも、顧客の暮らしを支える新業態を考え、満足と利益の両方を継続して高める提案につなげていきましょう。

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By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。