この授業でつたえたいこと

今回の授業で皆さんに学んでほしいことは、アパレルビジネスは「未来を予測する仕事」であるということです。

アパレル企業は毎年、半年から1年先の流行を予測しながら商品を企画し、生産し、販売しています。しかし、ファッションは流行の変化が速く、「何が売れるか」を100%当てることはできません。そのため企業は、テストセール、ポップアップショップ、顧客アンケート、ランキングMD、店長会議、販売員からの情報収集、SNS分析など、さまざまな方法を使って需要を予測しています。

実は、これらはすべて「未来を予測する仕組み」です。そして今、その考え方をさらに進化させたものとして注目されているのが「予測市場」です。予測市場は、多くの人の知識や経験を集め、「未来の需要」を集合知として見える化する仕組みです。

AI時代では、過去のデータを分析するだけでは競争に勝てません。重要なのは、AIの分析に加え、人の感覚や現場の情報、顧客の期待を組み合わせて未来を予測することです。

今日は、予測市場という新しい考え方を通して、アパレル企業がどのように売上を伸ばし、残在庫を減らし、利益を高めていくのかを、マーケティングと経営の視点から学んでいきましょう。

未来を予測する市場とは何か

皆さんは「予測市場」という言葉を聞いたことがありますか。

ワールドカップやアメリカ大統領選挙など、未来に起こる出来事について、多くの人が予測し、その結果を確率として表す仕組みです。

海外では、スポーツや政治だけでなく、経済や新商品のヒット予測などにも活用されています。

しかし、実はアパレル業界では、昔から似たような考え方が行われてきました。

それが「需要予測」です。

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By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。