この授業で伝えたいこと:
今回の授業で一番お伝えしたいことは、「利益を出すこと」と「社会のためになること」は、どちらか一方ではなく、両立できるという考え方です。渋沢栄一は、日本の近代経済を作った人物として知られていますが、単にお金を稼ぐことだけを考えていた人ではありませんでした。彼は、「企業は利益だけを追いかけてはいけない。社会の役に立つことで、結果として長く成長できる」と考えていました。現在のファッションビジネスでも、この考え方は非常に重要です。なぜなら、今の時代は「安いだけ」「流行っているだけ」では、お客様から長く選ばれない時代になっているからです。ブランドの想い、働く人への姿勢、社会への貢献、環境への配慮など、“どんな価値観を持っているか”が企業選びの基準になっています。さらにAI時代になることで、単純な販売や情報提供は自動化されていきます。だからこそ、これからは「人としてどうあるべきか」「誰のために事業をするのか」という倫理観がより重要になります。渋沢栄一の考え方は、現代のSDGsやCSRにもつながっています。今回の授業では、歴史を学ぶだけではなく、「これからの時代に必要な経営者の考え方」を学んでほしいと思います。

By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。