この授業で伝えたいこと

みなさんは商品が売れる理由をどのように考えていますか。

多くの人は「安いから売れる」と考えがちです。しかし企業経営では、安く売ることだけが成功ではありません。むしろ、安さだけで勝負すると利益が残らず、企業は成長できなくなります。

これからの時代に重要なのは「機能価値」です。

機能価値とは、お客様の困りごとを解決する力のことです。暑いなら涼しくする。濡れるなら濡れにくくする。疲れるなら疲れにくくする。このような困りごとの解決が価値になります。

今回取り上げる傘市場、日焼け止め市場、そして猛暑対策市場は、その変化が非常によく分かる事例です。以前は単なる雨具だった傘が、今では暑さから命を守る道具になっています。日焼け止めも夏だけの商品から、健康や身だしなみを支える毎日の商品へ変化しています。

市場が変化すると新しい困りごとが生まれます。そして、その困りごとを解決する企業が新しい利益を生み出します。

大切なのは商品を売ることではありません。

お客様の未来を良くする価値を提供することです。

その結果として単価が上がり、粗利率が上がり、営業利益が増えていきます。

今回の授業では、気候変動や生活環境の変化から生まれる新しい市場を理解し、「価値で選ばれる経営」について学んでいきましょう。

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By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。