この授業で伝えたいこと

近年、日本の夏は35℃を超える猛暑日が当たり前になり、企業には「働きやすい環境づくり」がこれまで以上に求められています。その中で注目されているのが、「ビジネスハーフパンツ」という新しいビジネスウェアです。以前は「仕事で短パンを履くのはマナー違反」という考え方が一般的でしたが、東京都庁がクールビズの一環として着用を認めるなど、少しずつ社会の価値観が変化し始めています。

しかし、この授業で皆さんに学んでほしいのは、「短パンが流行っている」というニュースではありません。重要なのは、アパレル企業がどのように新しい市場を生み出そうとしているのかというマーケティングの視点です。洋服の青山や三陽商会は、デザインや機能性を工夫し、さらに「カセット服」という新しい提案によって、消費者が感じる心理的な抵抗を少しずつ取り除こうとしています。

また、日本には「かりゆしウェア」という成功事例があります。沖縄では、かつては珍しかった半袖シャツが、現在では夏の正装として行政や企業で広く採用されています。このように、商品だけではなく、新しい価値観そのものを社会へ提案することがマーケティングの大きな役割なのです。

今回の授業では、ビジネスハーフパンツを事例に、「市場を創る商品開発」「消費者心理」「働き方の変化」「営業利益につながる商品戦略」について考えていきましょう。

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By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。