この授業で伝えたいこと

ドラッグストアで最も多く売れているものは、店名から想像する「薬」ではなく、食品です。しかし、食品は薬や化粧品に比べて粗利率が低く、賞味期限の管理や品出しにも手間がかかります。それでも各社が食品売り場を広げるのは、食品そのもので大きく稼ぐためだけではありません。牛乳、卵、パン、納豆など、日常的に買う商品を安くそろえることで来店頻度を高め、その買い物のついでに、薬、化粧品、日用品なども購入してもらうためです。つまり、「呼ぶ商品」と「稼ぐ商品」を組み合わせて、店全体で利益をつくっているのです。一方、マツキヨココカラのように、美容商品と都市部の立地に集中して高い収益性を目指す会社もあります。また、ゲンキーや薬王堂のように、店舗と物流を標準化し、人口の少ない地域でも利益を出せる仕組みをつくる会社もあります。この授業では、商品の利益率だけを見るのではなく、来店頻度、客単価、立地、物流、品ぞろえ、顧客データを一つの仕組みとして考えるマーケティングを学びます。そして最後に、この考え方をアパレルビジネスへ応用し、集客商品と高粗利商品をどう組み合わせて営業利益を高めるかを考えます。

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By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。