この授業で伝えたいこと

AI(人工知能)は、単なる「便利な検索ツール」ではなく、企業のビジネスモデルそのものを変える存在になっています。今回取り上げる楽天グループは、EC(楽天市場)、旅行(楽天トラベル)、金融、証券、カード、銀行、モバイルなど、多くのサービスをAIでつなぐ「AIエコシステム」の構築を進めています。

これまでネットショッピングでは、自分で商品を検索し、比較し、購入することが一般的でした。しかし今後は、「京都旅行を計画したい」「乾燥肌に合う化粧品が欲しい」とAIに相談するだけで、旅行予約から必要な商品の購入まで一つの流れで提案される時代になります。

さらに楽天は、各店舗に「AI店長」を導入し、24時間接客を行う仕組みを開発しています。これは人手不足の解消だけではなく、お客様一人ひとりに合わせた接客を実現するマーケティング戦略でもあります。

そして楽天の最大の強みは、楽天市場だけではありません。楽天モバイル、楽天カード、楽天ポイント、楽天銀行など、グループ全体のデータを活用し、一人ひとりに最適な提案ができることです。サービスが増えるほど利用者は便利になり、企業も収益を高めることができます。これを「経済圏戦略」と呼びます。

これからのマーケティングでは、「何を売るか」よりも、「どれだけ便利な体験を提供できるか」が競争力になります。AIを活用した体験価値の向上こそが、これからの企業の成長を左右する重要なポイントになるのです。

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By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。