この授業で伝えたいこと

今回は、「縫製工場は、どこで利益を生み出しているのか」を考えていきます。

縫製工場というと、「たくさん縫えば売上が増える」「忙しい工場ほど儲かっている」と思うかもしれません。しかし、実際の経営はそんなに単純ではありません。縫製工場では、受けた仕事の工賃(加工賃)が売上の基本になります。一方で、人件費、外注費、副資材、物流費、家賃、設備費、光熱費など、さまざまなコストが発生します。人手不足や賃金上昇などによって、現場を取り巻く環境も厳しくなっています。

そこで大切なのが、「売上を増やす」から「営業利益を残す」への発想転換です。

縫製工場の利益改善には、大きく3つの方法があります。①工賃単価を上げる、②生産性を上げる、③ロスを減らすことです。

これはアパレルブランドの経営にも共通します。「安くたくさん作る」だけではなく、価値を高め、ムダを減らし、限られた時間の中でより多くの利益を生み出す。この考え方を、縫製工場の数字から学んでいきましょう。

※ website ※ ポッドキャスト  ※ WEBテキスト ※ レポート ※ メルマガ

By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。