この授業で最も伝えたいのは、「商品が売れる理由は商品そのものではなく、“売れ方の設計”によって決まる」ということです。アイスはかつて夏だけに売れる季節商品でしたが、現在では一年中売れる通年商品へと進化しています。この変化の本質は、単なる気温の上昇ではなく、食べるシーンや価値の捉え方が変わったことにあります。さらに、価格の基準も変化し、安さではなく価値で選ばれる商品が増えています。その結果、300円前後の高単価アイスが当たり前のように売れるようになりました。ここで重要なのは、「価格を上げられる構造」「利用シーンを増やす設計」「競合をずらす戦略」の3つです。この3つが揃うことで、売上だけでなく営業利益も安定的に生まれます。つまり、これからのビジネスで重要なのは「何を売るか」ではなく、「どう利益を作るか」です。アイス市場はその成功事例であり、他業界にも応用できる非常に重要な考え方を示しています。

By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。