この授業で伝えたいこと

今回は、皆さんに「ポップアップショップは、単なる期間限定の売場ではない」ということを理解してもらいたいと思います。

先日、大阪・難波の高島屋を歩いていると、各階に「POP UP STATION」というポップアップ用の売場が設けられていました。添付写真を見ると、通常のショップとは違い、通路に面した比較的コンパクトな区画で商品が展開されています。私はこの売場を見て、「百貨店そのものが、売場を固定する時代から、変化させる時代へ動いている」と感じました。

アパレルブランドにとってポップアップは、売上を作るだけでなく、新しい地域、新商品、新価格、新しい顧客層を低リスクで試す「実験店舗」です。一方、百貨店やショッピングセンターなどのデベロッパーにとっては、新しいブランドを導入し、「今行く理由」を作り、館内を回遊してもらうマーケティング装置になります。資料でも、ポップアップは①話題づくり、②新規顧客獲得、③商品テスト、④出店テスト、⑤ブランド体験に活用できると整理されています。

大切なのは、「期間中にいくら売れたか」だけで成功を判断しないこと。

売上+新規顧客+SNS+会員獲得+EC送客+市場調査。

ポップアップとは、小さな売場ではなく、リアルなマーケティングメディアなのです。

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By EIC_Mr.S

私は神戸で生まれ、1986年にアパレル業界に入りました。当時の日本は、ファッション業界が大きく成長していた時代です。作れば売れる、そんな勢いのある市場でした。 しかし1991年、バブルが崩壊します。それまで順調だった業界は、一気に厳しい時代に入りました。 「なぜ売れないのか」「どうすればブランドは生き残れるのか」 その答えを探しながら、営業、商品企画、事業づくりに取り組み続けました。 その後、私は海外事業に挑戦することになります。台湾や香港で経営を任され、アジア市場で事業を展開しました。 しかし海外では、日本の成功モデルは通用しません。気候も、体型も、文化も、すべて違うからです。 商品も、組織も、販売方法も、すべてゼロから作り直す必要がありました。 多くの失敗も経験しました。しかしその経験が、ファッションビジネスの本質を教えてくれました。 それは 「売上ではなく、ブランドの仕組みがすべてを決める」 ということです。 現在は経営コンサルタントとして企業の支援を行いながら、専門学校の講師として学生にも授業をしています。 なぜ教育をしているのか。 それは、私が経験してきたことを次の世代に伝えたいからです。 アパレル業界を、少しでも良くしたい。 その想いで、私は今もファッションビジネスに向き合い続けています。